07.lesson2 -intermission-
ケージ
:いやぁそれは誤植ですねー、今見つけちゃいましたねー。ここで訂正しておきましょう。
はま
:「leeson2」。いやこれはあえてわざとということにして奥行きを持たせましょう。
ケージ
:まぁ、練習風景というかそういうのが真空パックできたらいいいなぁって感じの曲かな。本当はよく分かんないんですけどね、自分たちでやってるから。他の人がこれを聞いてどう思うかを聞いてみたいってところではあります。
はま
:なんかね、バビュンを身近に感じるよ、これがあるのとないのとでは。
ケージ
:もっと具体的に説明すると、この曲はチイコさんソロのchocoの曲をバビュンでカバーしてる様子を録音したんですけど、その曲はchocoのレコーディングにベースのまこっちゃんが参加してるわけなんですよ。当然ベースラインはまこっちゃん本人が作ってるわけなんですよ。
ケージ
:だから「まこっちゃんはそのままベース弾いてよ。あとドラムとかギターのカッティング入れてバビュンでやってみよう!」って言って始めたわけなんですよ。で、やったら見事まこっちゃんがフレーズを間違えて、曲が途中で終わったと。
ケージ
:まこっちゃんが間違えてるのにまこっちゃんが梅野くんに「梅野くん間違えんなよ!」って言って梅野くん何も弾いてないのに「ごめんなさい」って謝ってるっていう。
はま
:バビュン内構図をここで表してるわけなんですね。
ケージ
:偶然なんですけどね。偶然録ってたときにそうなったんですけど。
はま
:実はこのインターミッションって世間に対してバビュンの構図を披露したという。
はま
:そうですよね、意外ですよね、バビュンリーダーケージくんが一切喋ってない!登場してないっていう。
ケージ
:録音のスタートと終了のボタンを押しただけという。もちろん僕もちゃんとギター弾いてたんですけど。
はま
:その説明がない場合にはすごいほのぼのした練習風景に聞こえる。
はま
:バビュンっていうのはこんなバンドなんだ、楽しそうじゃないか!って。
ケージ
:で具体的に聞くとただの罪のなすりつけあいしてるっていうね。
はま
:楽しそうじゃないか!と思わせつつ実は毒に満ちた構造が(笑)
ケージ
:(笑)。まこっちゃんが「梅野くん間違えんなよー」って言ってそれに森くんとチイコさんが「えぇー!」って言ってる構図なんですけど。
08.wendy
ケージ
:これは本当に最後の最後に出来た曲なんですけど。
はま
:ですよねー!これが出来る前に録音もうほとんど終わってて、もう終わり!って思ってたけども。
ケージ
:そう。最後の最後に「あともう一曲欲しい!」ってことになってギリギリで作った曲です。
ケージ
:だからほとんどバンドであわせることなく、各パート順番に(作りながら)録っていったっていう印象がありますよね。
ケージ
:ま、なんとなく出来たから録ろっかーみたいな感じだったかな。
ケージ
:上物系は録りながら作った感じがあるかなー。
はま
:ドラムが大変ですよねー。一番に録らないといけないから。
はま
:この曲はアルバムの中でも上位に入るキャッチーな曲だと思ってるんですよね。日本語で、かつキャッチーな歌が何曲も出てきたってことが素晴らしいことじゃないかなと。それが最後に生まれたというのが、バビュンの底力を見せられたような気持ちになりました。
ケージ
:僕今までバビュンの中でわりといろいろ歌詞書いてきてるわけじゃないですか。そんで僕が歌ったりチイコさんが歌ったりしてるわけなんだけど、初めてチイコに「リーダーの書く歌詞に共感できた!」って衝撃の告白をされて。
ケージ
:「おいおい!今までのは何だったんだ、おまえ!」みたいな!
ケージ
:「はぁー?!(怒)」ですよこっちは!(笑)
はま
:まぁまぁ。これで一挙に挽回したと言うことで良しにしてですね。
ケージ
:(笑)。いやいや、あのね。歌詞を作る前にいつもチイコさんに仮歌を録ってもらうんですよ。ララーでもウフーでもなんでもいいんでメロディ歌ってもらうの。それを聞きながら僕は言葉を日本語を当てはめていくっていう作り方をしてるんですよ。
ケージ
:そしたらサビの部分で「ウェーンディー!」ってチイコが歌ってたわけですよ。
はま
:勝手に「ウェンディ」って言ってたんですか!?(笑)
ケージ
:そう!全部サビで「ウェーンディー」って歌ってたの。本人は否定するんだけど、後でその話したら。
ケージ
:「でもこれウェンディーって歌ってるし、ウェンディーってタイトルにしてウェンディーって女の子に捧げる歌詞にするしかないよなぁー」って思ったわけなんですよ。
ケージ
:で、「ピーターパン・シンドローム」って言葉あるじゃないですか。
ケージ
:あれと対をなす言葉で「ウェンディー・ジレンマ」って言葉があるんですよね。
ケージ
:「ピーターパン・シンドローム」が大人になれない人みたいなことでしょ。「ウェンディー・ジレンマ」っていうのはそんな男の子に世話を焼きたがる女の子、みたいな。そんな言葉があるらしく。それが凄く面白いなぁと思って。ウェンディーみたいな女の子とピーターパンみたいな男の子のこと歌ったらどうなるかなって思って歌詞を作ってみました。
はま
:ふーん。なんかね、この曲は、他の曲に比べて、なんていうかなぁ、背伸びしてる感じがして、うーん。おとな、、、、、、あ、ホンマや、あってるわ!
はま
:大人になりたいんだけど大人になりきれてない背伸びしてるよな!
はま
:曲がなんかすごいそんな風に感じるねーなんか。
ケージ
:それは嬉しいなぁー。曲の雰囲気と歌詞で僕が思い描いてたものがぴったり一致したって。
はま
:今なんかそう言われたらホンマにそうやなぁーって。
ケージ
:バンドってそういうのが面白いよね。そういうシンクロしていくところが。一人一人のメンバーの思いが。
ケージ
:言葉にしてなかっただけで共通の何か思いとか要素があって、それをたまたま僕が歌詞にしてみたら、みんなが思ってたことと同じだったとか、ね、そういうことだとしたら凄い面白いね。
ケージ
:だからこの歌詞チイコさんが気に入ってくれて僕もよかったなと。
ケージ
:これもコード進行スタジオで作ったんだ、たしか。
はま
:まぁコード進行言うほどの流れもないですけどね(笑)
はま
:逆にずっと同じコード進行でAメロBメロって(メロディーを)よう作ってますよね。
ケージ
:そうだ思いだした、この曲「wendy」ってタイトル付く前は「ツー・ファイブ」ってタイトルだった。
ケージ
:2個のツーファイブの繰り返しだから。いろいろコードを弾いてて、チイコがこれを気に入ったから「じゃぁ、これでー」みたいな。
ケージ
:「ただのツー・ファイブ(の進行)やねんけどー」みたいな感じで。だから最初はツー・ファイブって呼んでたよ。レコーディングしたときのファイル名は「twofive」になってるはず。
はま
:なんかこうセッションでバンドマジックがこううまい形で表れた曲かなと思います。
09.TYO
ケージ
:これどうやって作ったのかな?これも確かセッションでできたはず。
(追記)TYOはチイコさんのソロ「choco」の「ame no hi hutari」という曲のアウトロを発展させて作っていった曲です。
はま
:(歌詞カード見ながら)歌詞はあえて載せてないんですね。
はま
:インプロビゼーション、即興ですか。適当に歌ってるんですか?
ケージ
:多分一応、あるんだけど。インプロってことに(笑)
ケージ
:僕もそうだし、チイコさんもそうだと思うんだけど、メロディーに一番気持ちいい発音をずっと探ってる感じ。
はま
:はいはいはいはいはい。でもそうですよね、歌詞当てはめていくときって仮歌の音の方がいいねんけど、なかなか当てはまらないみたいな。
ケージ
:そうそう。だからこういう作り方をしてるとパズルみたいな感じで楽しくもあり、すごく時間かかるところなんだけど。cpなんかが歌詞が早くできたのはそこまで考えなくてよくってただ詰め込めばよかったからだったりするんだけど。
ケージ
:僕は最初この曲はスキャットだけでもいいかな?とも思ってた。
はま
:ふーん。確かに曲のイントロのちょっとオシャレなとことかフレーズがやっぱり空港のラウンジを思い起こさせます。
ケージ
:あのイントロは僕と梅野くんが作りました。この曲も録りながらどんどんアレンジしていった感じで、出来上がったの聞いてドラムの森くんが怒ってた。「俺はこの曲ロックのつもりで叩いてたのに!」って。