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――
intermissionは、あれはA面B面ってかんじですか?
ケージ
:そうですね。
:全体的に速い曲多いんで、ちょっと休めようかみたいなところも、当然ありますね。
ケージ
:vabuneの日常風景みたいなのを、真空パックできたら面白いなっていうのもあって。
――
梅野さんをいじめてる様子を(笑)
:あれはいじめてるっていうか、まこっちゃんが適当だ、ってところが。(全員笑)
――
梅野さんがからんでるポッドキャストとか聴くと、どうも梅野さんいじめられキャラみたいに定着してるので(笑)
チイコ
:新入りの筒井くんに、もうすでにバカにされてるから(笑)
:歳3つも離れてるのにねぇ。
筒井
:そうなんですよね。べつに僕はそんなつもりないんですけど、梅野さんがどーも下にくるから。(全員笑)
ケージ
:intermissionは今回のやつは、ぜんぜん知らないひとが聴いたら、vabuneこういう雰囲気なんだってのがわかって、声聴いたら誰かわかるってレベルのひとが聴いたときには、「ああまた梅野くんがいじられてる」っていう。近いひとが聴いてもおもしろいし、ぜんぜん知らないひとが聴いても雰囲気がわかってくれればいいかな、みたいなかんじですね。
――
筒井さんはどんなキャラクターを目指してますか? vabuneでは。
チイコ
:うるさい。
筒井
:ああ、ちょっと「うざい」っていう。
チイコ
:うっとうしい。
筒井
:あのね、やかましいキャラらしいんすよ。
チイコ
:名古屋行く車で、4時間ぐらいずーっと歌ってたらしいんですよ。私は違う車やったんですけど。
筒井
:曲かけてずーっと、好き放題歌ってましたよ。
チイコ
:なに歌ったりしてたの?
筒井
:おもにミスチルっすね。(全員笑)
チイコ
:正直しんどかったって、ドライバーの梅野くんが(笑)
筒井
:あとですっごい怒られました。
:でもvabuneのドラマーはねぇ、くどいぐらいがちょうどいい、僕の後任として(笑)
筒井
:引き継いでいきます。
――
あそうか、vabuneのドラマーは、あんまりギターポップじゃいけないんですよね。
:でもたぶん僕は、リーダーとチイコの次にギターポップが好きな人間なんですけど。vabuneに入る前からけっこういろいろ聴いてて。それが次はパンクばっかり聴いてる筒井くんに。
――
パンクばっかりなんですか?
筒井
:おもにパンクとかそういう、速い曲とかが好きですね。激しめの。
――
あと筒井さんリーダーとひと世代ぐらい離れてるなかでやってて、やってみて大変なこととかは?
筒井
:そのー、ドラムのフレーズに関していうと、やっぱりドラムって体を動かすわけじゃないですか。自分の体を動かして出るフレーズなんで、人のものをやるっていうのが、すごいまぁ難しいっていうか。どうしてそのフレーズをそこで使ってるのかっていうイメージを、つかみにくいんですよね。そこってめっちゃつまって、何度も練習しました。
ケージ
:ダンスの振り付けみたいなとこあるよな。こう動かしてるんだ、みたいな。だから森くんが実際にたたいたのを見て、「あっ、こうやってやってるんだ」っていう。
筒井
:何度かスタジオに見にきてもらったときに、見せてもらって、「あ、はいはいはい」みたいな。
:適当にたたいてるんですけど、それぞれのフレーズに実はある程度意味づけがあるんで、はじめて他人にそれをたたいてもらって、「あ、そういう意味で自分がたたいてるんや」って、すごいわかりましたね。
ケージ
:ここのシンバルのタイミングなんか違う、森くんと違うなんでやろって思って、「あ、森くんがこうやって動いてたからこうなったんだ」って。その動きをそのまんまやったら「あ、それそれ!」みたいな。ドラムって奥深いなーって。ダンスみたいだなーって。
筒井
:僕もいままで他の人の曲をコピーしたりとかしてたんですけど、そこまでコピーするのが難しいとは思わなかったですね。
ケージ
:ふつうに、たとえばバンドスコア見て完コピするんじゃなくて、オリジナルのメンバーの中にひとりだけドラムを完コピで入るんで、ぜんぜんハードルの高さが違いますよね。それは僕らもすごいことを要求してるなとは思いつつ、でもやってもらわないと困るんで。
筒井
:当然のことですからねぇ。
チイコ
:でもそこではじめて、森くんのドラムがすごい、ドラマーとして個性を出してたっていうのを、気付きましたね。ひとがやるのを見て。
:自分ではじめて、おっと思いましたね。あ、意外と細かくやれるんちゃう?って。あんまりねぇ、適当にたたいてるつもりだったんですけどね(笑)
――
ケージさんが今回メインに歌うのが多いから、チイコさんがずいぶんコーラスとかをいっぱい入れて、楽しそうにやってますよね。
チイコ
:はいー。コーラスがすごーい好きなんですよね。もう家でもずっと、アジカンとか流れてても、それにハモりながらこう(笑)
ケージ
:勝手にハモりを。アジカンのコーラスパート、なんなら私作んねんみたいな。(全員笑)
――
ああいうの聴いて、いままでよりフォーメーションが増したというか、攻撃力が増したような気がするんですよね。
チイコ
:なんかコーラスを入れて、コードが変わっちゃった曲とか(笑)。「Que」の最後の部分なんですけど、私がコーラスを入れることによって、メジャーコードやったのが、
ケージ
:コード感が変わってしまって。これでみんな納得するかなぁって。さすがにコードが変わるのはやばいやろ(笑)って僕は思ったんで、みんなに聴いてもらったほうがいいんちゃう?(全員笑)いっくらなんでもコード感変えるのはどうかな思って。
――
チイコさんの頭の中ではそっちのコード感に、もうずらしちゃってるわけですね(笑)
チイコ
:自然とそうやって、で「何やっとんの」みたいな(笑)
――
vabuneの曲そういうの多いですよね。歌詞カードに書いてあるコード、たぶんケージさんはああいうふうに弾いてるんだとは思うんですけど、どう考えても結果的にああいうふうになってないだろみたいな(笑)
ケージ
:ベーシストがまたそういう、ルート音を弾くようなベーシストじゃないんで、実はだからあれは、ギターをああやって弾くとそれなりにメロディは通るけど、実際のコードを正しく表記してるわけではない。
――
そうですよね。機能的にはぜったい違うだろうみたいなのが書いてありますよね。
ケージ
:チイコのそういうのもあるし、やっぱまこっちゃんのベースの持つ雰囲気っていうのか。
――
ベースでねじ曲げてんのはわかったんですけど、チイコさんまでそんなふうにねじ曲げてんのは意外というか(笑)
ケージ
:みんな好き勝手やってるっていう。
――
ケージさんだけだと、ああいうふうにはならないよねっていう。
:これぞケミストリーってかんじですよ。
――
ジャケットはまた、やはり「SVSV」「EPEP」みたいに全部スポーツで。ボーリングってすぐ決まったんですか?
ケージ
:ボーリングかカーリングでって話だったんだよな?
――
えっ、カーリング?
ケージ
:村上くんが適当に「ボーリングかカーリングがいいんじゃないですかねぇ」って、ダジャレで言ってたんじゃないかと思いますけど(笑)
――
カーリング、北海道とか行かないと(笑)
ケージ
:でもカーリングは、トリノ・オリンピックでちょっと急に注目されて。
――
注目される前にカーリングって言ってたんですか!
ケージ
:もちろん。村上くんがいたときなんで、もうだいぶ。僕、カーリングのカラフルな色遣いがすごい好きだったんで。でもカーリングって、どこで写真撮ったらええんやろ?みたいな話をしてたんですけど、トリノであんなに注目されちゃって、
――
ブレイクしちゃいましたよね。
ケージ
:ちょっと使えねーなーって。
――
だからボーリング。あとは今回チイコさんが作ったわけですよね、写真撮ったあげくにいろいろ好き勝手イラストを足すっていう。
チイコ
:イラストを足したっていうのは、今回リスタートとまでは言わないけど、自分たちが意識を持ってこのアルバムを出したっていうか、こっからまたやる気じゃないけど、そういうのを表すために、いままでと違ってイラストを入れたんですよね。あとは中身を自分でやらしてもらったのが、あの…chocoで楽しかったんで(笑)
――
あ、なるほど。図に乗って(笑)
チイコ
:図に乗ってやってしまいました(笑)。でもやっぱりchocoより大変でしたよ。写真が多かったんですよ。
――
写真もやったんですよね。
チイコ
:メンバーの写真だけゆりちゃんで、モデルのときの撮影は私がやって。でも自分のカメラじゃなかったから、もうちょっとなんやろ、もうちょっといいものを。
――
ああ、もうちょっと上手くできたかなぁっていう。リーダーは?
ケージ
:ジャケ買いってあるじゃないですか。ジャケット見たときにピンときて、やっぱ音楽聴いたらイメージ通りだったっていうのが、僕もすごい好きなんで。自分たちのやってる音楽とか、自分たちの好きな雰囲気とかムードを、ジャケットに表すことがしたいなっていうのがずっと思ってて。いままで3枚のリリースで、それがちゃんとある程度できてるかなと思って、満足してるんですけど。この調子で、次はどんなのやろうかーとか。
――
スポーツシリーズですか? なんかアイデアはもう。
ケージ
:うーんと、人間の肌が出てる画像というかイメージは、すごい力を持ってるなって、僕は勝手に思ってるんですね。だからその、肌が出てるっていうことは、やっぱスポーツやってないと。ただのいやらしい(笑)写真になるからっていうのもちょっとありますよね。
――
そういう意味も、スポーツシリーズにはあるわけですね。
ケージ
:そういうのもありますよね。
――
まぁ真顔で言われるとエロいですけどね。
ケージ
:さわやかなかんじで。
:エロさわ系? エロいけどさわやか。
ケージ
:でもエロいけどさわやか、最高じゃない?
――
このあとvabuneこういうふうになってったらいいなぁってのを、みなさんひとりずつ。
:昔っからね、こういうPV作りたいっていうのが頭の中にあって、でも金必要なんですよたぶん。
――
どういうやつなんですか?
:プールサイドに水着の女の子ガーッと100人以上並べて、25メートルプールのど真ん中にステージ作ってですね、そこでみんな歌うとか、まわりで女だらけの水泳大会やってるみたいな。もしくは、もう完璧に女だらけの水泳大会で、あれって右下にアイドル歌ってたじゃないですか。あそこにvabuneを(全員爆笑)。あれめっちゃやりたいんですよ。
――
たしかにありましたありました(笑)
チイコ
:外人でやりたい、それ。
:外人はあかん、外人は。外人やったら変にリアルさがなくなるんで、日本人で。
――
競技中にはじっこでアイドルが歌ってる、みたいにvabuneが歌いたい(笑)
:やっぱあれやろうと思ったら、騎馬戦やろうと思ったら、人必要なんでね。
――
それはレーベルオーナーを焚きつけて(笑)。筒井さんは? 参加したばっかですけど。
筒井
:まずはもう、好き勝手たたきたいなっていう。
――
次作るときからオレ風にやる、みたいな。
筒井
:これがオレのドラムだ!ってかんじで、好き勝手やらしてもらいたいっていうのがいちばんですね。あと自分の目指してるサウンドをいかに作れるかっていう。なんていうかこう、キレのある。ポップソングって、華やかな裏にはそういう歯切れの良さみたいなのがあると思うんですよね。そういう歯切れの良いドラムっていうか、エッジの効いたタイトな、そういうかんじのドラムになりたいんですけどね。
――
じゃあチイコさん。
チイコ
:このすぐあとに、音源を出したいと思ってて。
――
もう構想は、なんとなくある?
チイコ
:ちょっとありますね。最初に、すぐ出したいっていうのがあるんで、マキシかなとは思ってるんですけど。それに極上のポップソングを、1曲目に入れて。いま勢いに乗ったvabuneを、すぐにみんなに見てもらいたいなぁと、思ってます。
――
というわけでリーダー。
ケージ
:いやあのね、名曲作りたいっていう。名曲、とにかく。たとえば今回の2ndアルバムを聴いて、わりといろんな人が「tigar」が良いって言ってくれるんですよね。「tigar」っていまのvabuneのすべての要素が入ってるというか、現時点でのvabuneの特徴、たとえばツインボーカルであるとか、曲の雰囲気であるとか。その「tigar」が良いって好きって言ってもらえるってことは、ほんとにいまの僕らのvabuneのオリジナリティっていうか、芯の部分を好きって言ってもらえてる気がするんで。spaghetti vabune!にしかできない曲っていうのをどんどん作っていきたくて、それがぜんぶ名曲って言われるバンドになりたいと、すごい思います。聴いたらvabuneだってすぐわかる、vabuneがやればなんでもギターポップ、って言われるぐらいになりたいなと。野望です、それが。もっとだから、やり方をどんどん発明していって、いろんな作り方ができるようになりたいし、その中でいろいろ曲を作っていってその打率を上げるっていうのを、やっていきたいですね。
(2006年8月5日 新宿 8bit cafe にて)

登場メンバー紹介

トクダケージ
ボーカル・ギター担当。バビュンのリーダーであり最年長。2ndアルバムではほぼ全ての日本語詞を担当。メンバーで唯一リアルタイムに90年代の渋谷系・ギターポップを経験。
chee(チイコ)
ボーカル・コーラス・おもちゃ楽器全般担当。作曲はもとより2ndアルバムではアートワーク全般を行う。イラストレーターとしても活躍しつつ自身のソロユニットchocoでも作詞作曲演奏歌唱アートワーク全てを手がける。
モリケイタ
ドラムス・パーカッション担当。2006年4月より名古屋在住となりバビュンのレギュラーの座から退くも時々パーカッション、MCとしてライブに参加。ライブMC時に登場する「(牛)パペットもりくん」の声優としての人気も高い。
ツツイユースケ
2006年4月よりサポートドラマーとして参加、同年8月正式加入。幼い頃よりピアノを習い絶対音感を持つ。ドラム以外にも鍵盤はもちろん、吹奏楽器、弦楽器を演奏するマルチプレイヤー。バビュン最年少。リーダーとの年の差は9!