本格的な夏を迎えて「summer girl,summer boy E.P.」がついにリリース! これを記念してスパゲッティ・バビューン!のフロント2名、チイコ&ケージにインタビューを行い
ました。シンガー・チイコの大きな変化とは? シングルの真のテーマとは? ここでしか読めない発言の数々を、曲を聴きつつ楽しんでください。
昔から夏っぽい曲が好きだった
チイコ:けんか。
ケージ:(笑)
チイコ:居酒屋で殴り合いのけんか。
ケージ:いや、嘘だから(笑)。ええとね、アルバムを出したあとドラマーが変わって、でも最初のドラマーは1年でやめちゃったんですよね。その頃にマキシを出そうと思って録音までしたんだけど、ボツになったりもして。いろんな事情で。
ケージ:うん、きっちり週2回スタジオ入ってたし。
ケージ:そうですね、「やっとできた!」みたいな感じ。
ケージ:やっぱり夏に出すし、夏っぽい曲がいいなと思って。
チイコ:連続で「なんちゃらサマー」みたいな曲をリーダー(=ケージ)が作るから、みんなブーブー言いながら、でも押し切られた。
ケージ:中学高校の頃から夏っぽい曲が好きだったんです。
ケージ:うん、フリッパーズ・ギターの1stが「海へ行くつもりじゃなかった」だしね。夏とか海とか関係ある気がするんですよね。原風景として。
「coming summer」のダブルミーニング
チイコ:ダジャレの曲。
ケージ:そう、ダブルミーニングな感じで。なんか思いついちゃったんですよね。「coming summer」は「神様」に聞こえるなって。
ケージ:なんかね、「祈る」って言葉が好きなんですよね。
ケージ:わ、バレてる(笑)。
ケージ:これは新しいドラマーのシマイくんの得意なところですね。シマイくんはサウンド的にも、キャラ的にもバンドの土台な感じで。だからバビューンが新しくなったとしたらシマイくんの影響が大。チームの雰囲気が変わったもんね。
チイコ:「coming summer」はすごく今のバビューンっぽい曲だと思う。
チイコ:今のバビューンは何のジャンルかわからないものを作ってる感じがする。
ケージ:完成形が見えない感じがさらに強まったよね。制御不能みたいな。
ケージ:そうですね。
チイコ:やっぱそう、独特みたい、っていうのに近年気づいて。たぶんそれは私歌うことにぜんぜん興味がなかったから、誰々みたいに歌いたいとか、海外のこういう人みたいな音楽やりたいとかそういう影響を受けたりしたことがなくて。だからそういう結果になったんかな、と自分ではそう思ってる。
チイコ:「coming summer」で初めてちゃんと歌とか歌詞とかを伝えようと思ってすごく意識した。今までの作品を好きで聴いてくれた人に対しては失礼な感じやけど、「coming summer」は言葉一つ一つ大事にって、初めてそういうの考えた。
ケージ:今までぼくの歌詞をないがしろにされてきたってことです(笑)。でも今回はレコーディングのときにチイコが詞を意識してて感動しましたね。
チイコ:今まではメロとか曲のかっこよさばっかり考えてたと思う。でもバビューンは歌詞がいいなあってずっと思ってたのに、あんまりそれを気づく人が少ない気がしてなんでかなあって不思議だったんやけど、あー、私が何言ってるかわからへんからなんやなあと思って。
ケージ:だから今回かなり変わったっていうか、よくなったと思いますね。
チイコ:よかった。結果よかった!
2人で歌う「perfect summer」がバビューンの醍醐味
ケージ:最初にオープニングのギターのカッティングを思いついて、すぐにAメロもできたんだけど、サビはそこから1年以上かかったかな。作り始めたときから夏っぽいイメージがずっとあって、夏の曲として仕上げたいってずっと思ってたんです。ぼく中学のとき水泳部だったんだけど、そのときの毎日プールに行ってたときの風景が見えてて、それを歌詞にした感じ。
チイコ:サビとか2人で歌ってて、どっちがメロディでどっちがコーラスなのかよくわかんない感じがバビューンのバビューンらしさ、バビューンの醍醐味だと思う。普通のJ-POPだったらどっちが歌ってるかわからへんのとかダメかなあって思うけど、この2人がたたみ掛けるのが魅力やってことがみんなに伝わったらいいなあと、私は祈る。
ケージ:1人で歌って成立する曲もあるんだけど、ぼくたちが2人で歌わないと成立しない曲があることがバビューンの面白さかな、って思うんです。「今夜はブギー・バック」とかカラオケで1人で歌ってもぜんぜんつまんないでしょ。そういう曲がやれるのがバビューンだと思うしそういうのがやりたいんですよね。
ケージ:やっぱりみんな、どんな人にもシャイな部分があるじゃないですか。どんなに明るくてオープンな人でもシャイな部分は絶対持ってるし、本当に大事な気持ちを表に出せないことがあるんですよね。それで言葉で言えなくて祈っちゃうときがある。それはすごく胸キュンな瞬間だなあと思って、今回はそれを伝えたかったんです。
ケージ:うん、そういうちょっと切ないところも感じてもらえたらいいなあと思ってます。
長いトンネルを抜けた感じがする
チイコ:そうかも。マキシでいろいろやってみたのもよかったのかも。
ケージ:2007年に作ってたマキシでいろいろ実験的なことを試して、それと同時に外部の大人の人たちと接したりとかもあって、バンドの方向性とかについてもそのときすごく考えて、全員が一皮むけたと思うんですよね。
チイコ:ミーティングもたくさんしてたんやけど、梅野くん(G)が「会社でミーティングばっかりやってるチームはだいたいダメなんですよ」って(笑)
ケージ:ありますね。ものすごくある。長いトンネルを抜けた感じがする。
チイコ:秋に「青春」をテーマにした2曲を配信シングルで出して、年明けくらいに「卒業」とか「春」をイメージしたのを出す。
ケージ:それで来年アルバムをCDで出す予定です。
インタビュー後記:
今回のインタビュー、実は神戸と東京でテレビ電話(Skype)を使ってやってみました。暑さでぶちぶち切れる回線にもかかわらず、話してくれる2人は元気そうで、バンドも順調そうで。いろいろ悩んでた時期も知ってるだけに、聞いてるこちらも嬉しい気持ちに。読んでるみなさんにもそんな2人の“いい感じ”が伝わるとよいなあと願っています。